観劇日記

だいたいタカラヅカ。ときどきその他。

マリー・アントワネット(2018 帝国劇場)

私もフェルセン伯と浮気したい

 

制作発表に行った記事はこちらに

 

bks3.hatenablog.com

 

 制作発表の質疑のとき、「フランス革命を題材にしたものが流行る理由はなんだと思いますか?」って質問に古川さんが「みんな浮気したいんじゃないですか(要旨)」って答えたんだよね。

そのときはまたまた~って感じでウケてたんだけど、実際に舞台を見たら本当に浮気したくなりました。。。

 

なんせ、フェルセンって浮気相手としてあまりに誠実なんですよね。

びっくりしたのが「遠い稲妻」を歌うシーンで、歌唱披露からは「遠くにいるマリーに届けこの思い」みたいな距離感かと思っていたら、マリーが作り上げた庭園で隣にいるマリーに歌っていた。

「早く気づいて(中略)嵐が来る」の叫びが本当に好きで、「もう。。そんなことよりデートよ」と言いたげな花總マリーの表情だけのお芝居も好きで、最後まで見たあとに戻ってきたらきっと涙なしでは見られない。

 
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田代万里生さん、本当に顔が綺麗で、歌も綺麗で、思い人に死なれるのが似合う(ひどい)

個人的にはオフィシャルサイトに出てるストール巻いたカジュアルな格好より、暗髪にフォーマルな方が好き。ラブ・ネバーダイ、見ます!

 

で、話は前後しましたが、花總マリー。

もう妃としての気品がすごい。表情のお芝居がすごい。さすが伝説の娘役だし、ずっと一線を張り続けてるだけあるんだと思った。

もう本当にすごいとかしか言えないし、もう一度見たいし、できるだけ近くで見たい。

DVDを見ます。これからの作品も見ます。エリザベートで楽しみなのは精神病院のところとルドルフとのすれ違いです。

 

オルレアン公・吉原。モラルなど邪魔だ!と言い切る悪役っぷりが格好いい。衣装もギラついていて、打倒王室のカリスマ性があるんだなと。

それだけに最後マルグリッドに告発されるシーンは、物語のラストにすこーしだけの救いがあるかもしれない。

 

ソニンマルグリッド。とってもパワフルで自我が強そうで荒んでる感じがすごくいい。特にオルレアン公の傘下に入って、マリーアントワネットを嘲る歌を歌いながらおどけて踊る姿が、ものすごくむかつくからすごい。

王室への期待(100万のキャンドル)、オルレアン公への期待、マリーアントワネットと一緒に牢屋に入ることになってからの心のぐらつきが見応えあったなあ

 

一番人間臭いというか、見ていてすこしほっとできるのは、駒田レオナールと彩吹ローズの衣装屋さんかなあ

結局小物というか…自分に正直でちょっと悪いことはしたいけど大それたことには怯えるというか…

 

 

終始、恐怖の描写がすごかった。

最初におちるギロチンのアニメーション、技術屋さん的興味でギロチンにきゃっきゃしてるルイと怖いからどこかにやって!というマリー、ランバル侯爵夫人が民衆に殺されて、見ちゃだめだと言うルイ、祭り上げられるボロボロのドレス。

そして最後のギロチン…

 

それだけに、終曲「どうすれば世界は」が妙に説教臭く、スマートじゃないように思える。生きてるのも死んでるのも舞台に勢揃いさせなくていいし、「我ら」なんて客席を巻き込まないでほしい。客席は、ただ為す術もなく2人のMAを見守っているのだと思っていたのに。

それは、舞台から何も言われずとも、客が勝手に気づいて1人で持って帰るような気持ちなんじゃないのかなあ。

(ただ、制作発表で吉原さんがなぜ世論やマスコミについて語り出したか、この歌があることでより腑に落ちた気がした)


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